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801魂の修行中。
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もうホントこの流れいい加減にどうにかして欲しいんだけどどうして酔うって分かっててそんなに自分を見失うまで飲むのこの人はそしてどうして今日に限って俺にずっと絡むのかしらと盛大なため息とオーバーアクションで頭を抱えた俺を見てケラケラわらって前の人は言った。
「なかちゃんもっと呑みなって」
もうこれ以上どう呑めって言うの元々そんなに呑めない方だって俺たちいつからの付き合いですか知ってるであろうにと思ったが、彼はある意味自分がどこまで呑んだか毎回分からないから呑んじゃうのではないかと思うと空恐ろしくなった。あっはと笑って身体を動かしたら背もたれにしていた柱に頭をぶつけた。頭をおさえる彼に驚いて、ちょ、正君大丈夫!?と思わず覗き込んだらそのまま顔を上げられて顎クリティカルヒット。お…おお…どうしたの今日随分お元気ですね…。顎をおさえて沈み込む俺をまた笑って頭を叩いた。
どう見てもイっちゃってる彼と絡まれる俺をちょっと遠くに眺めるのもやめて欲しいみんな。仲間だろう俺達、少しくらい俺に力を分けてくれたっていいんじゃないのと渕を見た。マイペースで呑んでそこそこに酔っているようだが、明らかに俺達と線をひいているのが分かる。
にこりと笑ってまた焼酎をぐいと空けて、笹渕は言った。
「中山さん、長谷川さんどうにかしてね」
ちょ、完全委任!?どうして今日に限って俺はこの席に座ったのか呪うような祈るような気持ちになっていたら急に左足に冷たい感触。
「あー!ビールこぼしちゃったー!!」じゃねええええええええ!!!!!
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※「ランゲルハンス島」を知らない方は、必ずググってからお読み下さい。


「なんだっけ有名な小説家」
「は…?」
「いやホラあれだよあれ」
「何よ全然わかんない」
「小説家といったらあれでしょ」
「宮沢賢治?」
「やだなかちゃん意外っっ竜ちゃんみたいイーハトーブ中山」
「…。」
「でも違うよそもそも宮沢賢治はどちらかと言えば詩人でしょ」
「え~時代もノーヒントなの?」
「まだ生きてる」
「…生きてる…うええわからん俺ヤンマガとヤンジャンしか読みません」
「こらこらいかんぞ無学は」
「そういうこと言うと、ヤンジャン見せないよ。正君が好きなハチワンダイバー読ませないよ」
「それはいけない!メイドさんを奪うなんて鬼!悪魔!!」
「んで結局誰なの」
「は?メイドさん?」
「ちげーし!!その小説家よ」
「あ~えっとあれあれ、名前似てる小説家が2人いて…」
「なにそれ、俺でも分かる範囲?」
「なかちゃんが正直どこまで無学かはわかりません…」
「…それはそれで腹立つわ」
「う~んと名前似てるもう片方は、コインロッカーベイビーズとか」
「コインロッカーに子供入れるなよ!」
「小説のタイトル!」
「…知らない」
「あ~も~。あとは…あ、ノルウェイの森!!」
「村上春樹!!」
「それだぁぁぁ!!」
「やったぁぁぁ!!」
「あ~スッキリした」
「なんでいきなり村上春樹?」
「きみのランゲルハンス島になりたい」
「は…?」
「いや昨日夢でそういうセリフが浮かんで来てさぁ」
「…うん」
「だから。」
「全っっ然わかんないんですけど…」
「なかちゃんがどこまで無学か…」
「てめぇ」
「村上春樹が『ランゲルハンス島の午後』って本書いてるんですよ中山さん」
「あぁそういうことですか長谷川さん」
「だから村上春樹ですか」
「そうなんです」
「ところでランゲルハンス島ってどこの島?」
「…!!」
「南?フィジー?ヨーロッパ?」
「や、あの…体内に…」
「え、タイ?」
「いやその体内にある細胞の名前…なんだけど…」
「え、どこ地中海?」
「…!」
「今度の長期オフ取れたらランゲルハンス島旅行いっちゃう?」
「…あ、あはははやっちゃおうか!ランゲルハンス島旅行!」
「俺今からお金ためるわ」
「じゃあ俺も貯める。とりあえずなかちゃん、この旅行の件、竜ちゃんに話して来て」
「え~太朗も一緒に行くのかよ」
「大丈夫、絶対行かないって言うから」
「いやいやあいつのってくるよランゲルハンス島旅行」
「大丈夫大丈夫」
「じゃあ言ってくる」


もちろん戻って来たなかちゃんに殴られました\(^O^)/
「ウメイロモドキ、キンギョハナダイ、クマノミ、ブルーロックフィッシュ、ムラサキウニ、クロダイ、ウミガラス、フサギン…ポ?」
「変な名前ばっかり。そしてカタカナばっかり」

なかちゃんもっと面白い話してよ、竜ちゃんだったらここで面白い小ネタっていうか、トリビア的なものをさらっと出して来るんだよ。そんな最低な台詞を言われながら、青く染まった正くんの顔をみた。そう口では言いつつもこっちを見る気配はまったくなく、大きな水槽を見上げたまま。午後3時に終わった仕事にどうするわけでもなく、疲れたとかのたまう末っ子は帰宅、三男は別の撮影があるからとマネージャーと一緒に行ってしまった。たまには電車で帰るという正に付き合ったのが間違いだったのか、途中の駅で強引下車させられて、なぜか平日の空きまくった水族館にいる。大きな大きな水槽を見上げていると、ガラスの反射角のせいだと思うが、魚が大きく自分がまるで泳いでいるようにも見える。意外といいかも水族館って。とちょっと喜んでいる自分に気づく。隠すでもなく喜び水槽を覗き込んでいる隣の人はまるで子供のような顔をして、「面白いこと、言って」とまた言った。
面白いことなんて言えねぇし、そう言うと正は少し鼻で笑ってまたオレの続きで魚の名前を読み始めた。ペンギン飼いたいよねえ、なんて言いながら。「イワトビペンギン、フェアリーペンギン、フンボルトペンギン、コイ、タナゴ」ていうか水族館てすごく良い雰囲気なんじゃないのこれは。しかも平日周りにホント人いない(経営は大丈夫か気になったがそれは置いておく)。魚を見るふりをして少し近付くと、肩が触れた。相手からは離れていかなかった。
この水族館で一番大きな水槽に到着する。「ツマグロ、エイ、ヒラメ、マダイ、サバ、イカ、オイカワ、イワ…」途中で止まってしまった魚の名前読み上げを不思議に思って正を見ると、片手のごつごつした指をちょっと水槽に触れさせながら言った。なにこれ雰囲気勝ち?



「なかちゃん、お寿司屋さん行こう」
「…は?」

「まぐろ、おいしそうなんだもん…」


勝者:まぐろ(ただし寿司に限る)
どうしてこういう展開なわけ!?俺だって多少混乱すっぺ。ミヤ君が珍しく酔いつぶれて寝たから連れて帰るかしょうがねーなって思ってたらもう一人。金髪。パッツンじゃない(っても今ユッケはパッツンやめちまったけど)。
「あの…正さん…?」
起きる気配すらない。タクシーに小さな2人を詰め込んで家に着いた。30分くらい寝たら意外とさくさく起き上がってミヤは家帰るわありがと、とさっき帰ってしまった。2人きり。ていうか竜太朗さんはどこ行っちゃったんだろう仲良しなんだから最後まで面倒見てあげればいいのに、と飲み会最後を思い出すとコール大会とかアメリカ乾杯とか謎のテンションで後半誰が残っていたかすら思い出せなかった。ミヤも大概小さい体だが、ソファに寝かせた正は小さいというより薄い感じがした。こんなんだから、変なおっさんに絡まれたりすんだっけねとちょっと思ったが10近く年上に失礼かなと思い返す。寝室から客用の毛布を引っ張り出して、リビングへ戻るとソファから落ちて床ですやすや寝ていた。この人まじいくつだ…と笑って毛布で包む。ちょっと悩んで諦めてそのままベッドへ運ぶことにする。床で寝られて風邪引いたりしたら、俺竜太朗さんにあわす顔ねえし。持ち上げてその体重に驚愕して、ちょっと心配になる。自分が大きいせいもあるが、女の子もあまり小柄な子は苦手だ。並ぶと酷い図だし正直喋りにくいし何か壊れちゃいそうとか思うのは傲慢だろうか。正さん3人は軽く持てるな…とかしょうもないこと考えながら寝室へ運び、ベッドに降ろすが起きる気配もない。なんだかこの人から平和のにおいを感じて、痛んだ金髪を撫でた。意外と気持ちいい。少し笑ったように見えて、嬉しくなってさらに撫でた。

と、その瞬間広げられた腕に首を絡め取られそのまま布団に突っ伏した。

「ちょ、た、ただしさ…!」

誰と間違ってるのか知らないけどこの力は何!?一体どうしたんだ!?慌てて押し戻そうとするが、細い腕からは想像も出来ない強い力で抱きしめられる。おかしいだろこの図…正面からのチョークスリーパーってなんていうのあああちょっと流石に苦しいんですけどしかもこのまま相手に力を任せると正さんをつぶすことになるからちょっとしのびねーし俺どうしたらいいのちょうつらいよこの中途半端な体勢!顔の横に相手の顔を感じてちょっと慌てる。近ぇし!寝ぼけないでと声をかけるが特に反応はなく、腕をつっぱって2人分の体重を支える。い、いくら軽いと言ってもつらいんですけど…と、首元にちくりと何かを感じてさらに慌てる。おおお勘違い勘違い誰かと勘違いしてるっぺよたすけろー!据わった目で「たつろーくん」とかエー勘違い…じゃ…



「逹瑯…おめ、その首元…」
「…。」
「正さん…!?」
「ミヤ君なんで先帰ったん!?俺あの後大変だった…ってなんでそんな顔して怒ってんの…」
「逹瑯てめぇ俺と正さんが昨日あれだけリーダーって大変だよねそうッスねって話してたの横で聞いてただろうがよ!」
「俺悪くない!俺悪くない!!」
「コロス!!!」

マイペースに俺の作った朝ごはん(納豆付)まで食べておうち帰った正さんタスケテ!
鬼がきたりてって何だっけ小説だっけ漫画だっけどっちにしろこういうことを言うんだろうなっていうくらいの勢いで相手は俺を起こしにかかる。上に乗っかるのは夜だけにしてくださいお願いします。痛いし、ホントそれ痛いし。耳元でそんな大きな声出すのとか、どうするのこのミュージシャン人生を壊す事態になったら。そりゃライブでもっと大きな音聞いてるのは知ってるだろうけど、それにしたって酷いし、何か言ってることも酷いし正君ホントお願いだからあとちょっとだけ寝かせてよていうか知ってるでしょ昨日一緒に作業してたんだから俺が寝てないってこと。あなたはどうしてそんなに元気なのかねとかまあ冷静に考えてる時点で俺って本当は起きてるのかなとか考えて不安になる。いやだいやだそう考えちゃうともう眠れないことが多いんだから、お願いします寝かせてください。打ち合わせ中に睡魔が襲うのとか本当につらいんだから。

「正君、あと5分…」
「竜太朗です」


…目が覚めました。
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