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801魂の修行中。
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なかちゃんと正君は時々、お父さんみたいな会話をする。

ストラトの話をしてて、27万はどうかとかWEBで買えば安いけどやっぱり触って買いたいとか、賭けに負けたやつは夏ツアー先(地方限定)でいきなり楽器を買うこととか、下らない話を4人でしていた。
えーでもそれ俺何度かやったよーなんて軽いノリの正君に渕が、じゃあ今度も賭けに負けるのは正君だねなんて話をして、あーでもそれは竜ちゃんが俺の楽器をぶっ壊した時だなんて言うもんだから懐かしい話題に大変申し訳ない気持ちになって謝る。そうそうあの説は大変失礼しましたもう楽器壊しません。普通の意見としていきなり音が変わるの緊張するんだけどリズム隊として、なんて真面目な話を面白半分に話す渕が、ストラトのギターを価格ドットコムみたいなサイトで値段を引っ張ってきて、最終的に夏ツアーはなかちゃんが象さんギターで全公演こなしてジミヘンをやるって話で落ち着いた。なかちゃんはきーきー言いながらふと、

「あとねー大きいテレビが欲しいんだよね」

どうせこれから夏ツアーで家に帰る回数も減るって言うのにそんなものいらないと、俺と渕は顔を見合わせる。そろそろパソコンでテレビ見るからテレビ自体いらないっていう渕の意見に、大きなテレビで映画とか見るのってなんか憧れるって言うなかちゃん。正君だってどうせテレビ見ないって言うかと思ったら分かる俺もでっかいアクオスとか欲しいなんて言い出して同調するもんだから、この年長組さんたちは本当にそういう雑誌で言えばFENEKとかDIMEみたいなおっさん雑誌に載ってそうなもの好きだなと思う。おっさんは言いすぎかな、いいお父さんがボーナスで欲しいもの、みたいな?最近なかちゃんの車見てないから何乗ってるのか忘れたけど、クルマだったらスポーツカーだみたいな事言う。いないくせに家族用のミニバンが欲しいとか、子育て終わったらいつかはポルシェ911だとか、そういう感じ。
渕のパソコンを横から奪って、このTVがいいオリンピック見るならこれだ(どうせ見ないくせに!)と始めてしまった年長さん弦楽器2人に、顔見合わせた俺たち若人は、コンビニに行くことにしました。

あの2人、謎!
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「なんで最近ブログ書かないの?」
まさかそんなこと聞かれるとは思っていなかったので焦りましたひろしです。ぶっち斬りブログは始めてから初めてというくらい、確かに日があいてる。まあ最近忙しいのもあるんだけど、ブログに対する気持ちが単純に少し下がっているのもあるんだけど、ていうかまさか俺のブログまめに見たりしてたわけ正君。
「だって最初の頃とかずっと俺たちに携帯向けて面白い写真探しばっかりしてたじゃん」
はいはいしてました俺のデータフォルダはそれでいっぱいになっちゃって、この前秋葉原行ったとき新しいマイクロSD(しかも2GB)買ってきちゃった。なんて言えないんだけど。新しい写真もそれなりに撮ってるんだけど、最近いまいちパソコンにどっかり座る時間がなくて、ちょっと遠距離恋愛中なの俺とブログ。ネタ不足?何か話題提供しようかなんて言ってくれたのが嬉しくて、ぜひにとお願いした。この前、家の冷蔵庫でついにニンジンが小さく縮んでおじいちゃんみたいになっててさーと食べ物の話題。しかもそのおじいちゃんもう食べられないからと、油性ペンでおじいちゃんの顔を落書きした写真を見せてくれた。うわ。相変わらず絵が上手いから余計きもい感じになっていて笑ってしまった。赤外線で送ってと言ったらやり方がわかんないというので、懇切丁寧に教えてあげた。ニンジンよりもおじーちゃんみたいじゃんと言うと、正君は失敬なと笑ってでも確かに次も出来ない気がするといいながら、送信を押す。画像をフォルダに保存して、携帯が触れもしないし見えもしないのに赤外線すごいねというので、軽くキスして触れて見えたほうがいいよねって言ってやった。おっと酷い赤い顔なにそれ赤外線?



なんか、もったいなくてニンジンおじいちゃんの画像は使えなかった。
待受にしてたら、竜太朗に軽蔑のまなざしで見られました。うぜー。
ちょっと本当に信じられないどうしよう確かに俺メンバーの中では一番若いよ若いんですよどんだけじいちゃんみたいとか言われても、人より疲れやすくても、いつも腰が痛くても(これはドラムのせい!!)一番上のあなたよりは5歳だっけ若いんですよそれにしてもでももう30代なのに俺これはまずいんじゃないの大体ここどこだよこんなあんまり来たこと無いスタジオのちょっと裏の裏路地で一体俺はどうしてこういう状況になってんの!

「どしたのぶっち」

いいからこっち見ないで下さいていうか先に帰ってくれないかなって言いたいけど、まあこんな雨に降られて傘もなければそういうわけにはいかないよね分かってる分かってる俺ここはお外だってこともちゃんと分かってるし仕事中だってことも分かってるよ。
だけど俺の足元に分かってない俺がいるんですけど!


いや本当に俺が悪いの?大体こんな深夜に休憩中コンビニに行く?行くよねうん。しかも正君ついてくる!?ついて来るよねだって買いたいものあったんだもんね。しかもコンビニにいる数分でこんな土砂降りになる!?なるよね雨神様だもんね…んで、どうして真っ暗な道の何屋か分かんないビルのちょっと軒先で雨宿りになる!?よね…こんな降ってちゃちょっと濡れて帰る程度じゃないし。多分一歩踏み出したらくるぶしまで浸かるような暴雨。ああこういうのをバケツひっくり返した雨って言うんだなありえねーと思っていたら、濡れた肩が触れて俺の袖をちょっと引っ張った正君が、買ったアイスを食べ始めた。あまりのいきなり感に驚いていると、どうせまだ5分くらい止まないよ、なんてかじったアイスを笑顔でこっちに向けた。

「ぶっちも食べる?」


 そ れ だ け で た つ ! ?

たたないだろー!!!!!
起きて起きて俺、いや、ちがう寝て寝て俺の可愛い我が子よ…。

冷静を装って普通に一口頂いて、その後これはやばいとしゃがんで頭を抱える俺を上から見下ろして、どうしたのー?美味しいでしょこれ、なんてもう無邪気にそのまま一生いてください。


口の中に残ったミルクが甘ったるい。
それがなくなるまで、おさまりそうにない。
誰が用意したのか、事務所にささの葉がさらさらしていました。あ、七夕だよ七夕だよってこっちにニコニコしながら歩いてくるリーダーを横目で見ながら、事務所のおねーさんが書いたと思われる「30までに結婚!」とか「お金!!トト当たれ!」とかの笹に吊るされた短冊を眺めた。やってることは夢見がちなのに、リアルすぎる現実。の狭間に立ってる俺。こわい。明君も良かったらどうぞなんてご丁寧に短冊を渡されて、こんなの数年ぶりどころか十数年ぶりかという感じで、何をどう書いたらいいかも分からない。えーうーんあーそうだなー「ギター欲しい」とか「機材欲しい」とかでいいのか、な。当り障りない感じで。
ナカヤマンは「セクシーギャル」って書いてなおかつ下手なえっちい絵を隣に書くイメージと言われて腹が立ったのでおめーは笹でも喰って「パンダになりたい」って書きなさい竜ちゃんはと言ってやった。竜太朗と正は何がおかしいのか俺の返しに笑いながら笹を食べるふりをしていた。

ていうかそもそも何誰が願いを叶えてくれるの。織姫と彦星が一年に一度逢える日なんでしょ?あまりに幸せな日だから、おすそ分けでかなえてくれるの親切なんだねえ2人は。でも良く考えたら1日しか逢えないってすっげーーー長いよ俺なら絶対耐えられないな。勝手に人の恋路を想像して可哀想になっちゃったりした。正とふと目が合って、俺の気持ちでも汲んでくれたのかにっこりと笑ってくれた。良かったこれがほぼ毎日見えるって本当に幸せです有難うございます。ごめん織姫さん彦星さん、俺あんたたちの分まで幸せになるよ。
「幸せな毎日が過ごせますように」
って書いておいたら、欲しい機材並べ立てて裏まで使っている渕に見咎められて、何そのお母さんみたいな意見と言われた。…。どうせだからと隣に「家族(バンド)健康」とも足していたら結局そうやってお願いが増えるんだよお母さん、と正にまで言われた。
そういうアンタはなんて書いたのよ、と横から覗き見る。



「またムックさんとか色んなバンドと対バンできますように」


ちょ、またムックオチ!?
可愛げにムックメンバーのイラスト書かないで!!上手いし!
微妙な顔をして、それでも普通の会話を継続する力はホント行きずりとはいえあなたをリーダーとして選んで適任だったと思う。覚悟して言った、覚悟して誘った。わかってくれなくてもいいけど、もう10年我慢したよ。多分今までもちょっとはそういう場面はあったし、俺も努力してその場面を作ったところもあったんだろう。でも、それでも関係が変わらなかったのは、やさしさなんだ、俺とあんたの。それがいいことか悪いことかはわからない。今も正直わかっていない。

車を走らせて海が見える駐車場でとめ、隣を見ると寝息を立てていた。そりゃ3時まで仕事してそのままここに連れてきたんだ、仕方ない。それでも穏やかな寝顔を見ていたら、心にずっと溜め込んできたものが海風に流れていくような気がした。そっと窓を開ける。風は冷たくなんて無かった。ああ、これから夏が来るんだ。外の景色も、明け方未明だってのにこんなに明るい。空の色がなんともいえない色になっていてちょっと見せたかったけど、起こす気にはならなかった。


「あんたが、良かったんだよ」

起きてないのを知って、声に出して言った。曲がって伸びている腕を戻してやりながら、硬くなった指先に触れる。自分の同じように硬くなった指先を触れさせる。もう神経が遠くなってしまったのか、想像していたほどなにも感じなかった。必死の自分を少し笑って、シートに深く沈みこんだ。指先は離さずに。他に何も言えない。他には何も無い。

「あんたが良かったの」







「それ本当?」



硬い指先が握られる。

朝日で、海が、あかい。
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