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「ウメイロモドキ、キンギョハナダイ、クマノミ、ブルーロックフィッシュ、ムラサキウニ、クロダイ、ウミガラス、フサギン…ポ?」
「変な名前ばっかり。そしてカタカナばっかり」 なかちゃんもっと面白い話してよ、竜ちゃんだったらここで面白い小ネタっていうか、トリビア的なものをさらっと出して来るんだよ。そんな最低な台詞を言われながら、青く染まった正くんの顔をみた。そう口では言いつつもこっちを見る気配はまったくなく、大きな水槽を見上げたまま。午後3時に終わった仕事にどうするわけでもなく、疲れたとかのたまう末っ子は帰宅、三男は別の撮影があるからとマネージャーと一緒に行ってしまった。たまには電車で帰るという正に付き合ったのが間違いだったのか、途中の駅で強引下車させられて、なぜか平日の空きまくった水族館にいる。大きな大きな水槽を見上げていると、ガラスの反射角のせいだと思うが、魚が大きく自分がまるで泳いでいるようにも見える。意外といいかも水族館って。とちょっと喜んでいる自分に気づく。隠すでもなく喜び水槽を覗き込んでいる隣の人はまるで子供のような顔をして、「面白いこと、言って」とまた言った。 面白いことなんて言えねぇし、そう言うと正は少し鼻で笑ってまたオレの続きで魚の名前を読み始めた。ペンギン飼いたいよねえ、なんて言いながら。「イワトビペンギン、フェアリーペンギン、フンボルトペンギン、コイ、タナゴ」ていうか水族館てすごく良い雰囲気なんじゃないのこれは。しかも平日周りにホント人いない(経営は大丈夫か気になったがそれは置いておく)。魚を見るふりをして少し近付くと、肩が触れた。相手からは離れていかなかった。 この水族館で一番大きな水槽に到着する。「ツマグロ、エイ、ヒラメ、マダイ、サバ、イカ、オイカワ、イワ…」途中で止まってしまった魚の名前読み上げを不思議に思って正を見ると、片手のごつごつした指をちょっと水槽に触れさせながら言った。なにこれ雰囲気勝ち? 「なかちゃん、お寿司屋さん行こう」 「…は?」 「まぐろ、おいしそうなんだもん…」 勝者:まぐろ(ただし寿司に限る) PR |
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