５９、続・ある朝～膨らんできちゃった～

どうもこんにちは再びナカヤマアキラです。あの、例の起きたら裸事件の日から数日経ちまして、なんと僕達付き合うことになりました。やっちゃったワンデーの過ちってことにしても良かったんだけど、意外や意外？いやちがうあの人本当は真面目だからさそういえばなかちゃんは俺の事好きなの違うのにやったのってあの笑顔で言われて即答してしまいました好きですって。
俺の口から出たその言葉に俺が一番ビックリして目をカッと広げてたら、変な顔って言われてキスされたりして、何この人一体今までどういう恋愛とかしてきたわけ！？と涙目になりそうでした怖いよ。

普通のフリしておいて何なのと思われるかもしれませんが、それなりには好きだったのよホントホント。でもさホラあれだよ同性っていうだけでまずはそういう考えにはならないじゃん？独占欲とかあーあんな態度でむかつくなーとかかわいいなーとか好きだなこの人ーって思ったとしても、結構同性っていう時点で意外と踏みとどまるのよ。あ、皆はわかんないけど俺は、ねとりあえず。でもさー男女であれ男男であれ、やれるかどうかって大きな条件だと思うわけで。早々にそこを、例え酔っていたとしてもクリアした時点で、大きな越えるべき壁を先に越えちゃったようなものでしょ？そしたらなんだかすっきりしちゃって、あーそういえば相当前から長谷川さんのこと気になってたわって思えたね。

ちなみにあっちの意見としては、恐ろしいことに覚えてるんだってあの日のこと！俺すっぱり忘れてるのに怖い怖い。どっちがどうしたっていうのは今回は忘れることにして、うーんどうだったかとかわかんないんだけど気持ちよかったよそれしか覚えてないってそれ以上は俺赤面でつっこめませんでした。でもホラお付き合いをするのであればそのうちまたその機会は自然に登場するわけで、その時まで考えるのはやめることにしました。うん。チキン？うるさいよ。長谷川さんとは例え男女であっても付き合えないと思ってたんだけど（だって部屋汚いし、マイペースだし趣味わからないことのが多いし、怒りどころわかんないし）、世の中ってわかんないもんだとはよく言ったものね。

まあ男男でちょっと正直安心したのは、間違っても正君のお腹が膨らんできちゃった☆ってことはないわけで。女子に言ったら軽蔑されそうだけど、今の俺では家庭を持つとかないなーって。でもホラ間違い…は生まれてくる子に失礼だな、えーっと先走っちゃって子供出来ちゃったらやっぱり責任取らなきゃとか、家族守らなきゃとか、色々出てくるわけで、それをまるっと受け止めるチカラとかやる気はな…って何の話してんの俺。そういえば最近は『できちゃった結婚』とか言わないらしいね。『おめでた婚』だって。ふーんまあ言葉尻だけどうにかしたってどうにもならないと思うんだけど、って言ったら長谷川さんは
「いや、最近は『スピード違反』って言うらしいよ」


なかちゃん相当違反だったよ切符切るよ免停だよ、ってもうそれ以上は言わないで下さいホントお願いします。

５８、ある朝

はいどうもこんにちはナカヤマアキラです。俺がどうしてこんなところにいるのか、皆知らない？ふっと起きたら見たことのない天井で、それを眺めながらまだ動けないで居ます。内心死ぬ程焦ってて心臓もおかしな不協和音を奏でているのに、どうにも出来ない俺ですチキンですうるせーよ。

昨日、昨日俺はどうしたんだっけ打上げでもないのに珍しくメンバーで飲みに行くことになってホラもうこの年なんであんまり若い頃みたいに毎日飲んだくれたりしないわけですよしかも一番若いひろしくんでさえ最近酒を控えるとか言い出す始末で。いやいいんだよ健康のためにも体力のためにも呑まない方がさ。でもあれだよコミュニケーションをもじった呑みュニケーションなんて言葉があるくらいでやっぱりお酒は楽しくなって仲良くなれていいものだと思う。そしてそれを珍しくメンバー4人で実感しちゃったもんだからうっかり、そういつでもお酒の言い訳はうっかりなんだけどさ、飲みすぎたわけですねそうですそうです。
おっいいぞナカヤマ思い出してきたじゃないか！
そうそうそれで4人で呑んでて次のツアーの話とか、久しぶりにやりたい曲とか、最近買ったいい機材の話とか俺たち本当どうしようもない音楽バカなんだなって思う話から、俺の最近買おうと思っている大型テレビの話とか引越ししたいなんてどうでもいい話までした。やっぱ好きだわ俺この空間。でもなんか途中から雲行きが怪しくなってきて、そうそうやっぱりここで盛り上がっちゃうのが我らがリーダー、
長谷川さんで、あの人、お酒は好きみたいだけど呑めもしないくせに焼酎ボトルなんつー恐ろしいものに手を出して、しかもロックだ！俺たちはロッカーだからロックで飲むんだ！なんてもうどうしようもないあの人のあの雰囲気に流されやすい性格ホントどうにかしてくださいそれで俺たちももうその頃にはぶっ壊れ始めてて、甘いお酒が好きな俺はオレンジジュース入れたりしてせめて酎ハイに、って思ったんだけど3人にはかなわなくて気づいたらオレンジは入ってるけど、8割方お酒（ロック！）で、1割氷、ほんのちょっと、なにそれカキ氷のシロップ？っていう分量だけ入れてもらえましたオレンジジュース。
そりゃ記憶も飛ぶわ…そんな訳でここはメンバーの部屋だと信じたいわけですが、なにぶんボーっとまだ頭が働いてなくて何かもう悲しいかな二日酔いなわけで、まだ床回ってるのってよほどじゃないか。あとねお酒って飲みすぎると逆に朝早起きになるんだよね俺だけかないやいや多分俺よりお年を召されている長谷川さんとか4時代には起きてると思いますよ俺予想としては。けだるい身体と脳みそをどうにか叱咤して、ここがどこなのかを考える。竜太朗の家ではないようだなあいつの家は何かにつけて結構行く用事があって覚えてる流石の俺でも。ひろしんちはあんまり行ったことないけど、ギターは並んでなかったと思うんだよねしかもこんなに。そういえば昔正くんからギター貰ったとか言ってたけどどうしたんだろ。興味は失せたか飽きっぽいからな、うん。で、そうすると残るは…残る、は？まさかいくら俺が最低だからって例えば呑んでもない友達の家に押しかけたり、昔の彼女とかの家に押しかけたり、はしていないはずだ。

ここ、長谷川さんちか。

重い頭を持ち上げてちょっと周りを見回すと、脱ぎ散らかした洋服が目に入る。後でたたもうと思ったの！なんて声が聴こえそうな椅子にかけられた何十着の洋服がなんだか妖怪みたいに見える。ギターもスタンドあるんだから立てればいいのに部屋の真ん中にどーんと大の字で寝ている。ようやく覚醒してきた頭を軽く振って、ゆっくりと身体を起こした。あーあそこに脱ぎ散らかしてるの俺のジャケットじゃん。まあそのまま寝るよりしわにならなかったかもと前向きに考えると、その隣にTシャツが落ちてる。あ、おいおい人の家で上半身裸で寝ちゃったよでもまあ酔ってたししょうがないよね。Tシャツの隣に落ちてるジーパンもしょうがないよだって俺男の子だもんそりゃパンツ一丁でも寝るってーの。まあジーパンの隣に落ちてる俺のパンツが気になるんですが。
…。
……。
………。
ごめんね人の家で裸で寝ちゃって。でも正くんだってあんなに呑んでたんだから俺だけ悪いわけじゃないよね。とそこまで考えて、家主の存在を思い出す。
正君どこ行っちゃったんだろ、風呂？それともまさか酔って家だけ借りちゃって正はどっかで野たれ死んでたり？あー仲良し竜太朗のおうちか？上半身を起こして、周りを見渡すが寝息が聴こえる以外、シャワーの音や台所からの音はしない。…ん？寝息？
この布団薄いんですけどまさかこの下に居るって言うのアンタ！！！ていうか俺だけ裸で恥ずかしいじゃん、しかしガリガリ過ぎて布団かけても居るか分からないなんて恐ろしい子ね、と布団をめくった。

頭が真っ白になるっていうのは、考えられないっていうよりホント例えれば「ゼロ」なんだってその時思った。


…ウィー、アー、裸！！！！


「あ～、なかちゃーんおはよぉ～」

なんかすっごい腰痛い～。待って待ってそれ以上は、ちょっと黙っててもらえませんか長谷川さん！！！！俺、順番通りに進みたいタイプ！

５７、はちがつじゅうろくにち。

折角、お盆でお休みなんて珍しいと思ったのに！

珍しくなかちゃんがわあわあ言ってて、俺はそんな文句を聞き流しながら作ってもらったハムと卵をのせたパンにかじりついた。こしょうまでかかってて美味しい。こういうただの食パンに何かをのせただけのものを作らせたって美味しく作っちゃうんだから侮れないナカヤマアキラ。しょうがないじゃん仕事なんだし、ていうかなかちゃんがそういうので文句いうの珍しいね？と聞くとちょっと困ったように目を伏せて逸らした。なにそれ可愛い。
牛乳でパンを流し込みながらごめんねと言うと、別に良いんだけどって全然良く無さそうにいうから面白くなってきた。都会のこんなところでどこから鳴いているのか、蝉の悲鳴を聞きながら汗をぬぐって牛乳を飲んで、“強”で回る扇風機（さっきクーラーききすぎって消された）の前に足を突き出したら食事中でしょとぴしゃりと叩かれた。「送り盆でも行くの？」「行けないっしょ阿寒湖まで！」どうしたっていうんだろ今日のなかちゃん。昨日泊まったからてっきり俺も仕事休みだと思ったのかもしれない。今日の握手会の仕事の話言うの忘れてたのは俺だし。だけどたかが2時間程度の仕事だし、終わったら帰ってきたっていいよ。18時スタートだから20時には終わると思うよって言ったのに。
いまいちご機嫌は治らない。
もういいから早くパン食べちゃってよいつまでもぐもぐしてんのよと、また怒るもんだからおかーさんみたいって言ってやった。そんな大きな子を持った覚えはないと言って、空いた皿を片付けに行ってしまった。どうしたんだろうまさかなかちゃん大事な話があるとか？俺ともう別れるとか？もしくはプロポーズするためにホテルの予約をしたのが19時だったとか？どうでも良かったのに気になって仕方なくなった俺は、あんまり好きじゃないパンの耳を口のはじっこにつっこんで、平皿を持って台所にいるであろう彼の人を追った。


結局どうしたって教えてくれなかったなかちゃんに、おざなりな感じで見送られてタクシーに乗り込んだ。少し走ったあたりの最寄の駅前がざわついているのに気づく。…出店があって、おみこしがあって、…！！！


俺は笑いがこみ上げてしょうがなくて、竜ちゃんに気持ち悪いって言われました。

早く帰れば、閉店間際の出店でりんご飴くらいは買えるはず！

５６、もやしは一生もやし！

夏だって言うのに、こんなスタジオに御こもりなんてやばいよなかちゃんだって俺たち肌がビックリするくらい、もやしか引きこもりみたいな色だよ！

という長谷川大先生の発言により、午後頂いたオフはなぜかプールに来ました。
いつもこういうことをするのは大体平日なので、どこに行っても空いていたり安かったりオトクなことがあったりするわけですが、流石夏休み。そりゃ混むわ。子供連れの列をそれでもイライラなんてしないよだって俺好きな人と一緒なんだもん。

「ちょっとなかちゃん俺座りたいー日陰希望」
「ねえなかちゃんラーメン食べたいでしょ？買ってきてー」

イライラしない。

「何か俺帰りたいかも」
「そういわずスライダー乗ろうよ」

イライラしない。
好きな人と…ふたりきりならな！！！！！


「てめえらいい加減にしなさいよ！！」


うわーなかちゃんが怒ったーと大騒ぎする年下コンビ。
ていうか浮き輪を借りに行った大先生が帰ってこないのがすごく心配です。混んでるからって20分くらい経ってないか。正君遅くない？と流石の2名も心配になってきたようで渕が携帯を鳴らすと、横に置いてあったカバンの中から軽快なリズムが流れた。ロッカーで鳴り響いていないだけ、長谷川さんにしては上出来ではないかというため息×3。長谷川待ち時間が長くて開いたスペースにシートを敷いて、とりあえずどうしたもんかとちょこっと座る×3。結局何だかんだで3時半を回っているが、まだ一度もプールに入っていない。あんたたちスライダーだけでも行って来れば？と言うが、正君も心配だしどうせプール行くならやっぱり正君が借りてくる浮き輪欲しいし、まだいいよと言う。あらあら意外と優しいのね。焼きそばとかカキ氷とか買いに行こうかーなんて話をしていたらようやく、よ　う　や　く　正君が帰ってきた。

遅くなっちゃたーと言いながら手にはビール×8本、焼きそば×2個。
正君、浮き輪借りに行ったんじゃ…？



「あ、忘れちゃった！」

５５、タピオカとメイドさん

お盆あたりに出るシングルがあって、それが片付いたと思ったら気づいたらアルバムの作業が始まってて、夏ツアーライブはまだだけどFCがあってイベントがあって、何だか台湾も行くとかで（これはちょっと楽しみだけど！）毎日ドラムの前でうんうん唸ってる俺です。

書きたいことは山程あれど、ブログも書けない。気持ち的に余裕がまだないし。
メンバー皆だけど、正君も相当煮詰まってるみたいで、さっきコンビニで買って来たらしい漫画雑誌を読んでいたと思ったら「あー！読んでも頭入らない！息抜き出来ない！八チワンダイバーのメイドさんすら可愛く見えなくなってきた末期だ！」となかちゃんに向かって騒ぐ正君を横目で見ながら、仕方なく喫煙所に行くことにした。

場所を変えて気分転換を図るべく…と思いつつ、さっき正君と一緒にコンビニ行ったから、そんなもので変わるようなら既に変わっているような気もするけど、そこは棚に上げておく。


喫煙所には先客がいて、家に仕事を持ち込むサラリーマンよろしく鉛筆とノートをもってソファから崩れ落ちそうになっている竜太朗がいた。うわっスタジオでやんなよと思わず声をかけたらのっそり顔を上げて「その瞬間感じたものを歌詞にしようと思います…」とぼそぼそ喋るからかなり怖い。なにこれ久々に相当キてるねプラスチックツリー。

自分の気分転換もかねて、今度行く台湾で何を食べようかと話を振ると意外と食いついてきた竜太朗は飲茶と謎のスイーツを今回は追いかけたいとのこと。ごめんあんま興味ないや。だって台湾の料理甘いもの多いんだもん。俺としては四川料理とか辛いものでひーひー言いながら青島ビールか紹興酒あたりでって言ったら、折角台湾なのにそれ中国じゃんと言われた。そこらへんはホラ難しいところだし台湾の中華料理の店はやっぱり美味しいしさーなんて言う話から発展して、じゃあ今回はスイーツも辛いものもお茶もお酒もいける店を探してから行こうと盛り上がってしまった。

そしてウェブで探すべく何だか分からない気合が入った俺たちがスタジオに戻ると、俺のウィンドウズの周りにいるなかちゃんと正君。ちょっと焦った様子の2人に、俺のパソコンで何調べてるのと覗くと予期せぬエラーばかりが出てどう見てもあのこれえっとどういうことまさか！？

「むしゃくしゃして、えっちな画像を開いたら、ウィルス感染したっぽいごめん」



笑顔の正君。真顔のなかちゃん。真顔の俺。大笑いの竜太朗。
アルバム制作が落ち着くまで、もう面倒なので全員でパソコン断ちすることにしました。