× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
||
間接照明も消すと、カーテンの色のせいかその部屋はキレイなネイビーブルーになった。
意外と明るい都会であることを否応なく納得させられて、その場にいる自分が少し浮遊したように感じる。ここどこ。車のクラクションがひとつ鳴った。こんな時間に何に文句を言うって言うのかわいそうなひと。勝手な想像で笑おうとして、息を吸い込んだらむせた。生理的な涙がにじんで何だか本当に悲しくなった。何だこれ。 ほんの少し前、やっぱりもう大人だから泣きじゃくって喚いてなんて出来なかった。どこかいつも諦めてしまう自分。いつも好きな人にはふられることが多い。また置いていかれた。相手に対する罵り言葉の次は、自分に対する反省が怒涛のようにやってきて、最後にはどちらも選べない自分はじっと耐えるだけしか出来なくなる。しょうがないのでタバコに火をつけた。ボーカルなんだから少しは気をつかうように言ってくれたのも彼であったが、もうこの際どうだっていいだろう。きっと明日からも平穏な日々が始まるのだ。大丈夫。カーテンを開けるとやはり明るい外の景色。ベランダに出る。もっと真っ黒なら良かったのに、紺色より明るい夜空。どこかに同じような人でもいないかと、向かいのマンションのベランダを眺める。もちろん誰もいない。だってもうこんな時間だもの。 闇の色だったか彼のポロシャツの色だったか思い出すと必ずその色、紺より少し鮮やかなネイビーブルー。それが赤く染まるまで、今日はここにいようと思った。 PR |
||
この記事にコメントする
|
||
カレンダー
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
ブログ内検索