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801魂の修行中。
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本当に面白くて仕方が無い。


スタジオにこもっていた俺は、たまたま近くまで出てきた妹からの連絡で近くで久しぶりにお茶をした。義弟も一緒で、ベビーカーをひいている姿はとても良い夫婦のようだった。この後渋谷で買い物になんて話を聞きながら、ベビーカーから手を出す姪に指を出すとしっかと握られて母性本能(父性?)が刺激される気がする。結婚は俺微妙な気がするけど子供は欲しいなーと、話半分で姪と戯れる俺を見て、言いにくそうに妹は口を開いた。


「ええええ姪っ子預かった!?」
休憩明け、スタジオにベビーカー&幼児持参で戻った俺に、スタッフやメンバーは驚きを隠せないようだ。
だよねー。
迷惑だよねごめん、映画見たいらしくて2時間だけだからと一応謝ったのだが、意外にも皆の行動は迅速で、同じく姪甥がいる渕は速攻で持っていたタバコを消し換気を始めて、他のスタッフにもタバコ禁止令を敷いた。明はローテーブルをずらしてベビーカーが入れる場所を確保し、テーブルの上を整理して灰皿を全て片付けた。竜ちゃんは…固まっていた。


機材の関係でまた休憩になってしまい、子供と遊びつかれた皆はちょうどいいからとご飯を食べに出て行った。明や渕、そしてスタッフさんに一通り構われてご機嫌だった姪は、すうすうと寝入ってしまった。平和の象徴だね子供は。俺は姪も寝てしまったし先ほど妹達と軽く食べたので残った。

トイレから戻ってくると、なぜか、竜ちゃんも残っていた。
先ほどから皆でわいのわいの子供で遊んでいても、少し遠巻きに見ていたがようやく皆がいなくなって、ベビーカーの隣のソファに座っている。
他の人がいると英語で会話できない日本人のように、やっぱり遊びたかったのかなと思って離れたところで見守っていると、じっとただベビーカーで眠るその顔を見つづけている。そ、そんなに見られたら誰だって困惑すると思うよ…。寝返りというか身じろぎしたその小さな身体にびくっとして、視線は離さないまま半歩下がる。寝ぼけているのか伸びてきた小さなもみじのような手を握るべきかうろうろと不審な動きをしている。あ、手も握れないうお座の君ね。頑張れーとどちらでもなく心の中で応援する。そっと震える手を伸ばすと、もみじに丸め込まれる。ああやって握るとなかなか離さないんだよね。やはりそんなことは知らなかったようで、少しだけ動かすが離されない手に、世界の終わりのような顔をしている。
俺はおかしくておかしくておかしかったが、ドアの後ろで笑い出したい心をぐっと抑えた。片手をふさがれた状態だが、勇気を出して竜ちゃんはもう片方の手で頬を触る。分かる、赤ちゃんってホント触りたくなるほっぺたしてるよね!つんとつつくとにこりと笑った。流石長谷川家、いい顔してる。あ、妹もう長谷川じゃないや。その笑顔に癒されたのか、もう一度つついてみる。また笑った。おお、いいじゃんコミュニケーションじゃん。
更につつく。どうやらそこまではお気に召さなかったのか、いやいやをされる。あ、また世界が終わる顔してる。それをきっかけに目が覚めたらしい俺のかわいい姪っ子は、目をあけた。
だ か ら 近 い ん だ よ 竜 ち ゃ ん 。
わああああああああああん泣き始める姪。俺は駆け出したい気持ちを興味が勝ってドアのところにまだ留まった。困惑。いやそんなものじゃない困絶。俺はもうどちらかは分からなくなったが、いい加減に助けてやるかとドアから入った。
「た、ただしくん!!!!!!」
俺に抱きつきたいような安堵の表情を浮かべながらも、未だに指をつかまれてそこで立ち往生している大きなボーカルに苦笑しながら、赤ちゃんにそんなに脅えなくても良いと思うけど、と言った。

「だって、もう、なんか、ニュータイプ!!!!!」


早々にご飯を食べて戻ってきた明と渕に、うっわ竜太朗泣かせんなよ!と騒ぎたてられて2人で泣いてしまった大小の子供たち笑いがこらえられませんでした。何この図面白い!と笑っていたら、妹から電話がきて何泣かせてるのよと怒られました。何この図。
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今日のトピックです。
折角なので、今日のお題目は俺がどうしてなかちゃんを好きなのかをちょっと説明させていただこうと思います。いやいや照れなくていいじゃないこんな言い方してるけど誰も他にはいないんだからさ。え、だからだ?じゃあ呼ぼうかひろしとかたろうとか。ほらー嫌でしょ?まあ俺もそれは流石に恥ずかしいからいいや。ね、うん。
何かね、やっぱり一番は優しいところかな。え、当たり前だって?そりゃそうだ確かに優しいよね。照れなくていいよ良いことなんだから。あとは対等だからかなー気になったのは。年齢が同じって言うのもあってあー分かってます分かってます俺のが3ヶ月早いのは分かってますよ。んで言いたいこと言えるじゃん。もちろんバンドのメンバーは一緒に仕事するんだから対等に話はしているけど、それでもどこかで年齢差てあるし。あーハイハイ小さい頃見てたアニメも被るよね。いやでも俺は未だになかちゃんみたいにアニメ見てないし笑。俺が未だに見るのはガンダムくらいですよ。えー、前見てたじゃんちょっとなんかオタクっぽいアニメ…。グフよりザクだね。
あとはねー細かいところ?気がつかえるところ?俺も頑張ろうって思うけどさらっと間に入ったりするじゃんなかちゃんて。この前もぶっちとスタッフさんがちょっと険悪だった時、さらりと入ったでしょ?そういうところちょっと尊敬してる。こんなに長い間一緒にいるのに、未だになかちゃんすごいなーって思うことがたくさんあるんだよ。え、俺も一緒とかないない俺そういうのダメだし。

だから好きって言って。

突拍子なくないよ、俺がそんなにすごいなーって思ってるなかちゃんが俺のこと好きだとかすごくない!?いいんですアイデンティティの確立なんです。その為に利用してるわけじゃないとは分かってね。
…うんありがとう。
だから言わんこっちゃない。いつもいつも体調管理って言ってるのあなたじゃない。ぶっちが体調崩すといつも叱ってるじゃないの。もうそんなことも言えないね、と責めるとちょっと赤い顔していやいやたまたまなんか最近寒暖激しいじゃんなかちゃん、とちょっと甘えるように言った。タクシーは気を使ってか静かに走ってくれて、余計に正君の呼吸音が車内に響いた。いつも冷たいと大好評の俺の手を正君の首にあてると猫みたいに目を細めて、寄って来た。うわ事務所いた時より熱上がってるじゃないこの人。鞄から飲みかけのペットボトルを渡すとちょっと情けない困ったような顔で受け取って飲んだ。ふっと息をつく姿は色っぽいというよりなんだか可哀相だ。いやでもやっぱり色っぽいかも。しかしそんなのじゃ騙されないよ俺はと心に誓って、首にあてたままだった手を外そうとしたら、相手の手に邪魔されてその場に留まらせられる。こっちを見はしない。
「なかちゃん」
視線で返事をすると少し笑うように空気が揺れて、うちにきてと言った。言われなくてもそうするつもりだったよ。分かってんでしょ。分かってて言ってんでしょ。

それで構わないけど。頷くと今度はこっちを見てから笑った。ちょっとだけ。





「あー多分、たつろー君と飲んで帰って窓開けたまま寝たからだなー」

またかよ!
もうホントこの流れいい加減にどうにかして欲しいんだけどどうして酔うって分かっててそんなに自分を見失うまで飲むのこの人はそしてどうして今日に限って俺にずっと絡むのかしらと盛大なため息とオーバーアクションで頭を抱えた俺を見てケラケラわらって前の人は言った。
「なかちゃんもっと呑みなって」
もうこれ以上どう呑めって言うの元々そんなに呑めない方だって俺たちいつからの付き合いですか知ってるであろうにと思ったが、彼はある意味自分がどこまで呑んだか毎回分からないから呑んじゃうのではないかと思うと空恐ろしくなった。あっはと笑って身体を動かしたら背もたれにしていた柱に頭をぶつけた。頭をおさえる彼に驚いて、ちょ、正君大丈夫!?と思わず覗き込んだらそのまま顔を上げられて顎クリティカルヒット。お…おお…どうしたの今日随分お元気ですね…。顎をおさえて沈み込む俺をまた笑って頭を叩いた。
どう見てもイっちゃってる彼と絡まれる俺をちょっと遠くに眺めるのもやめて欲しいみんな。仲間だろう俺達、少しくらい俺に力を分けてくれたっていいんじゃないのと渕を見た。マイペースで呑んでそこそこに酔っているようだが、明らかに俺達と線をひいているのが分かる。
にこりと笑ってまた焼酎をぐいと空けて、笹渕は言った。
「中山さん、長谷川さんどうにかしてね」
ちょ、完全委任!?どうして今日に限って俺はこの席に座ったのか呪うような祈るような気持ちになっていたら急に左足に冷たい感触。
「あー!ビールこぼしちゃったー!!」じゃねええええええええ!!!!!
※「ランゲルハンス島」を知らない方は、必ずググってからお読み下さい。


「なんだっけ有名な小説家」
「は…?」
「いやホラあれだよあれ」
「何よ全然わかんない」
「小説家といったらあれでしょ」
「宮沢賢治?」
「やだなかちゃん意外っっ竜ちゃんみたいイーハトーブ中山」
「…。」
「でも違うよそもそも宮沢賢治はどちらかと言えば詩人でしょ」
「え~時代もノーヒントなの?」
「まだ生きてる」
「…生きてる…うええわからん俺ヤンマガとヤンジャンしか読みません」
「こらこらいかんぞ無学は」
「そういうこと言うと、ヤンジャン見せないよ。正君が好きなハチワンダイバー読ませないよ」
「それはいけない!メイドさんを奪うなんて鬼!悪魔!!」
「んで結局誰なの」
「は?メイドさん?」
「ちげーし!!その小説家よ」
「あ~えっとあれあれ、名前似てる小説家が2人いて…」
「なにそれ、俺でも分かる範囲?」
「なかちゃんが正直どこまで無学かはわかりません…」
「…それはそれで腹立つわ」
「う~んと名前似てるもう片方は、コインロッカーベイビーズとか」
「コインロッカーに子供入れるなよ!」
「小説のタイトル!」
「…知らない」
「あ~も~。あとは…あ、ノルウェイの森!!」
「村上春樹!!」
「それだぁぁぁ!!」
「やったぁぁぁ!!」
「あ~スッキリした」
「なんでいきなり村上春樹?」
「きみのランゲルハンス島になりたい」
「は…?」
「いや昨日夢でそういうセリフが浮かんで来てさぁ」
「…うん」
「だから。」
「全っっ然わかんないんですけど…」
「なかちゃんがどこまで無学か…」
「てめぇ」
「村上春樹が『ランゲルハンス島の午後』って本書いてるんですよ中山さん」
「あぁそういうことですか長谷川さん」
「だから村上春樹ですか」
「そうなんです」
「ところでランゲルハンス島ってどこの島?」
「…!!」
「南?フィジー?ヨーロッパ?」
「や、あの…体内に…」
「え、タイ?」
「いやその体内にある細胞の名前…なんだけど…」
「え、どこ地中海?」
「…!」
「今度の長期オフ取れたらランゲルハンス島旅行いっちゃう?」
「…あ、あはははやっちゃおうか!ランゲルハンス島旅行!」
「俺今からお金ためるわ」
「じゃあ俺も貯める。とりあえずなかちゃん、この旅行の件、竜ちゃんに話して来て」
「え~太朗も一緒に行くのかよ」
「大丈夫、絶対行かないって言うから」
「いやいやあいつのってくるよランゲルハンス島旅行」
「大丈夫大丈夫」
「じゃあ言ってくる」


もちろん戻って来たなかちゃんに殴られました\(^O^)/
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