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ちょっと本当に信じられないどうしよう確かに俺メンバーの中では一番若いよ若いんですよどんだけじいちゃんみたいとか言われても、人より疲れやすくても、いつも腰が痛くても(これはドラムのせい!!)一番上のあなたよりは5歳だっけ若いんですよそれにしてもでももう30代なのに俺これはまずいんじゃないの大体ここどこだよこんなあんまり来たこと無いスタジオのちょっと裏の裏路地で一体俺はどうしてこういう状況になってんの!
「どしたのぶっち」 いいからこっち見ないで下さいていうか先に帰ってくれないかなって言いたいけど、まあこんな雨に降られて傘もなければそういうわけにはいかないよね分かってる分かってる俺ここはお外だってこともちゃんと分かってるし仕事中だってことも分かってるよ。 だけど俺の足元に分かってない俺がいるんですけど! いや本当に俺が悪いの?大体こんな深夜に休憩中コンビニに行く?行くよねうん。しかも正君ついてくる!?ついて来るよねだって買いたいものあったんだもんね。しかもコンビニにいる数分でこんな土砂降りになる!?なるよね雨神様だもんね…んで、どうして真っ暗な道の何屋か分かんないビルのちょっと軒先で雨宿りになる!?よね…こんな降ってちゃちょっと濡れて帰る程度じゃないし。多分一歩踏み出したらくるぶしまで浸かるような暴雨。ああこういうのをバケツひっくり返した雨って言うんだなありえねーと思っていたら、濡れた肩が触れて俺の袖をちょっと引っ張った正君が、買ったアイスを食べ始めた。あまりのいきなり感に驚いていると、どうせまだ5分くらい止まないよ、なんてかじったアイスを笑顔でこっちに向けた。 「ぶっちも食べる?」 そ れ だ け で た つ ! ? たたないだろー!!!!! 起きて起きて俺、いや、ちがう寝て寝て俺の可愛い我が子よ…。 冷静を装って普通に一口頂いて、その後これはやばいとしゃがんで頭を抱える俺を上から見下ろして、どうしたのー?美味しいでしょこれ、なんてもう無邪気にそのまま一生いてください。 口の中に残ったミルクが甘ったるい。 それがなくなるまで、おさまりそうにない。 PR |
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誰が用意したのか、事務所にささの葉がさらさらしていました。あ、七夕だよ七夕だよってこっちにニコニコしながら歩いてくるリーダーを横目で見ながら、事務所のおねーさんが書いたと思われる「30までに結婚!」とか「お金!!トト当たれ!」とかの笹に吊るされた短冊を眺めた。やってることは夢見がちなのに、リアルすぎる現実。の狭間に立ってる俺。こわい。明君も良かったらどうぞなんてご丁寧に短冊を渡されて、こんなの数年ぶりどころか十数年ぶりかという感じで、何をどう書いたらいいかも分からない。えーうーんあーそうだなー「ギター欲しい」とか「機材欲しい」とかでいいのか、な。当り障りない感じで。
ナカヤマンは「セクシーギャル」って書いてなおかつ下手なえっちい絵を隣に書くイメージと言われて腹が立ったのでおめーは笹でも喰って「パンダになりたい」って書きなさい竜ちゃんはと言ってやった。竜太朗と正は何がおかしいのか俺の返しに笑いながら笹を食べるふりをしていた。 ていうかそもそも何誰が願いを叶えてくれるの。織姫と彦星が一年に一度逢える日なんでしょ?あまりに幸せな日だから、おすそ分けでかなえてくれるの親切なんだねえ2人は。でも良く考えたら1日しか逢えないってすっげーーー長いよ俺なら絶対耐えられないな。勝手に人の恋路を想像して可哀想になっちゃったりした。正とふと目が合って、俺の気持ちでも汲んでくれたのかにっこりと笑ってくれた。良かったこれがほぼ毎日見えるって本当に幸せです有難うございます。ごめん織姫さん彦星さん、俺あんたたちの分まで幸せになるよ。 「幸せな毎日が過ごせますように」 って書いておいたら、欲しい機材並べ立てて裏まで使っている渕に見咎められて、何そのお母さんみたいな意見と言われた。…。どうせだからと隣に「家族(バンド)健康」とも足していたら結局そうやってお願いが増えるんだよお母さん、と正にまで言われた。 そういうアンタはなんて書いたのよ、と横から覗き見る。 「またムックさんとか色んなバンドと対バンできますように」 ちょ、またムックオチ!? 可愛げにムックメンバーのイラスト書かないで!!上手いし! |
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微妙な顔をして、それでも普通の会話を継続する力はホント行きずりとはいえあなたをリーダーとして選んで適任だったと思う。覚悟して言った、覚悟して誘った。わかってくれなくてもいいけど、もう10年我慢したよ。多分今までもちょっとはそういう場面はあったし、俺も努力してその場面を作ったところもあったんだろう。でも、それでも関係が変わらなかったのは、やさしさなんだ、俺とあんたの。それがいいことか悪いことかはわからない。今も正直わかっていない。
車を走らせて海が見える駐車場でとめ、隣を見ると寝息を立てていた。そりゃ3時まで仕事してそのままここに連れてきたんだ、仕方ない。それでも穏やかな寝顔を見ていたら、心にずっと溜め込んできたものが海風に流れていくような気がした。そっと窓を開ける。風は冷たくなんて無かった。ああ、これから夏が来るんだ。外の景色も、明け方未明だってのにこんなに明るい。空の色がなんともいえない色になっていてちょっと見せたかったけど、起こす気にはならなかった。 「あんたが、良かったんだよ」 起きてないのを知って、声に出して言った。曲がって伸びている腕を戻してやりながら、硬くなった指先に触れる。自分の同じように硬くなった指先を触れさせる。もう神経が遠くなってしまったのか、想像していたほどなにも感じなかった。必死の自分を少し笑って、シートに深く沈みこんだ。指先は離さずに。他に何も言えない。他には何も無い。 「あんたが良かったの」 「それ本当?」 硬い指先が握られる。 朝日で、海が、あかい。 |
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「ホントこういうの、昔から信じられない」
明の思いつき癖は最近年齢のせいか(やな表現!)治ってしまったと思っていた。昔は「スキー行くぞ!」とか「山行くぞ!」とか、メンバー勢ぞろいで気づいたら明のクルマで寝ているうちに山や海に到着してしまうこともしばしばあった。行ったら行ったで心から楽しんでしまうので、行動に起こしてくれる明をしばしば有難いとも羨ましいとも思っていた。 夜の(朝の?)3時に仕事が終わって家に帰り、シャワーを浴びたところで突然の訪問。新聞屋さんかパン屋さんしか仕事してないようなこんな時間に誰だと恐る恐るインターフォンを覗けば見知った顔がそこにいた。あけてくんない?とまるで小学生が友達の家に「あーそーぼっ」って来るような軽いノリでやってきた。とりあえず部屋に上げて、どしたのここで寝る気かと問えば今から海に行こうなんてそれどんなナンパの科白!? 驚く俺に、隣で寝ててもいいからさとクルマの鍵を見せてちょっと困ったように笑うから、俺は結局一瞬だけ着たパジャマを、私服に着替えることになった。 明治通りから湾岸道路へ抜ける。空がどんどん明るくなって、これからまた夏が来ると実感させられた。リリースがあってツアーがあって、きっと夕方の風が冷たくなって気づいたら秋になってしまうんだろうなと特に感傷もなく思う。隣で運転をする明は、寝てていいと言ったくせに俺にコーヒーをおごってくれた。冷えた缶コーヒーをちびちびすすって、こんなの今までにないなと思う。数え切れない程この人と(正確にはこの人を含む皆と)色んなところへ行ったが、こんな朝、未明に海へなんて無かった。あ、もし事故ったら「今朝未明」ってニュースで言われるんだろうなんて考える。運転を始めてから何も喋らない明にふと何かあったのかと不安な気持ちが持ち上がり、抑えるようにシートに深く沈みこんだ。トラックが増えてきた。高速道路も湾岸道も東京方面に向かう道路は同じように少し混雑していた。帰りは渋滞にはまるかもなんて心配がちょっと頭を掠めたが、どうせ明日はオフなんだからどうでもいいやと思い直した。 海は確かに横を走っているが、防砂林で邪魔されて見えない。 「どうして俺なの」 気になって聞いた。人付き合いの得意な明のことだ、俺より楽しく付き合ってくれる奴や女の子なんてたくさんいるだろうに。それとも何か大事な話でもあるの?リーダーである俺に?それとも俺に?選択肢が並べられた。でも選べるのは俺じゃない。俺は選ぶ権利なんてない。また少しだけコーヒーをすする。そういえば運転免許取るなんて騒いでから数年経つけどやっぱり持ってないままだ。こういうことは曖昧にしてしまうことの方が多い。いつか、って大人が得意な言葉をいつから使うようになったんだろう。 疲労や睡眠欲のせいか、段々暗い思考になってきた頭を叱咤して、こんなドライブなら竜ちゃんも、明の突飛な行動にあんまり免疫のない渕だって喜んで参加したかもしれないよ?と声をかける。昔から意外と信じられないことするよねA型なのに、と言うとまだ血液型信じてるのと返される。ちょっとむっとした俺が口を開くと、かぶせるように明は言った。 「あんたが良かったの」 一瞬の浮上、しかし「今日はあんたが」と続きそうな科白に少しがっかりしている自分に一番驚く。それどういう意味って聞いてもいいんだろうか。許されるんだろうか。 ああどうしよう、海が見えてきた。 |
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Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
了解! Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: わがまま!じゃあ今から行くから、ドア開けといてね Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: そういう気分じゃない… Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: じゃああなたが来なさいよ Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: 大丈夫だよもう廊下も誰も通らないし Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re: ばかじゃないの丑三つ時に行けねえよ Re:Re:Re:Re:Re:Re: そうかも。なかちゃん今から夜這いしに来てよ Re:Re:Re:Re:Re: 今日のライブが楽しすぎて興奮してるんじゃない? Re:Re:Re:Re: どうもしないけど眠れない Re:Re:Re: 人が返事してあげてるのに失礼ね長谷川さん。どうしたの Re:Re: うわ返事返ってきた(笑) Re: 寝てないけどもうベッドの中 無題 もう寝た? 「ちょ、正君ドアオートロックなんで鍵あけておいてくれても閉まるんですけど!早くあけて俺怪しい!!」 (ツアー中のホテルにて) |
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