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801魂の修行中。
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「信じられない何故なの正君!」
「ぶっちの方こそおかしいよ肉はココだって」

俺がこんなキレイに並べてるの見れば分かるでしょあっ後から肉入れるなんて信じられない邪道だ違うよちゃんと列になってどこから食べればいいか分かるようになってたのにそれを崩したのは正君でしょ違うもんいいから早くネギが少ないしそんなことばっかり言って、進まない押し問答に、面倒くさくなって肉を自分の箸でつまんで横からそっと入れた。

「「ちょっと竜太朗!!!!!!」」

ものっそい怒られたあげく、肉食べたいならここからここまでが煮えてるからホラと取り皿に左右から1枚ずつ入れてもらった。まあいいんだけど食べられれば。

久々に皆で鍋をしようとなかちゃんちに集まったんだけど、そういえば渕が入ってから4人ではやってなかったなあと思ってたらまさかの 鍋奉行2人バッティング。
最初は大人しくしていたんだけど、ネギとしいたけのタイミングで勃発した争いはまだ停戦を迎えることなく膝立ちになった2人に俺とアキラと鍋は囲まれることとなった。
「でもさ、俺意外なのはアキラがここに加わらないことだよ」
入れてもらった肉を食べながら言うと(しかし美味い)、ため息をついてアキラはビールを手酌しながら言った。
「船頭、3人いたら宇宙まで行くだろ」


諦めてんの、大体奉行が居なくても美味しく出来ちゃうのが鍋なんですよ、と言うアキラのセリフに聞き捨てならない!じゃあもうアキラはだしでも呑んでろ!!とビールにだしを注がれていました。

めでたしめでたし。

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シチュー丼は思ったよりも腹に溜まった。

どういった嫌がらせなのかと思ったが、ふとベタな感じで指先に絆創膏があるのを見て、そういえばそんなに料理得意じゃなかったなとやはり思った。つけていたテレビに夢中でまだ1/3残っている正君のどんぶりを眺めてちょっと幸せを感じる。なんかいいなあ。ケーキ食べる?と声をかけると、ちょっと驚いて振り返って頷いた。

トイレはやめて廊下に置いたケーキを取りに出ると、廊下はものすごく寒くて足の裏から冷えを感じる。箱を手に取って戻ろうとすると後ろからふいに抱きしめられた。


「生まれてきてくれてありがとうあきら」


そんな言葉をもらうと思わなくて、腕時計が小さな音でピっと鳴った。
ああもう12時だったんだ。
仕事もあったのに色々準備してくれてありがとう、こちらこそ生まれてきてくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。これからもよろしく、毎年のことなのにちゃんと祝ってくれるあんたが大好きだよ、色んな言葉が溢れてきたが、震える歯に遮られた。寒い。うんすっげー寒い。コートもないのにスキー場に来ちゃったくらい。しかもそのままリフトに乗って途中で止まっちゃったくらい寒い。あの、えっと長谷川さん…あとちょっと部屋に戻るまで2秒待ってくれなかったのもうあああ。


老体に冷えは大敵だって!


強硬手段。
軽い身体を抱きしめて、暖かい部屋に運んでもつれこんだのはまた別のお話。


------------------------
HAPPY BIRTHDAY AKIRA!
お幸せに!

ヒントは季節。

コンビニで買ったのだが、古いのかそうなんだなチクショー




気を取り直して。

キレイだとは言いにくい部屋だったけど、正君は俺を歓迎する意思はあったようでチラシ紙を切ってワッカに繋げた飾りが電気の紐から3方向に進んでいる。そうそう幼稚園とかでやるあれね。
そこ気を使うなら、部屋の掃除は出来なかったものかと思ったけど、彼の気持ちは受け取っておくことにした。

今年の誕生日は翌日にあっちのライブがあるもんで、15日夜に決行されることになった今日。そこまでしてとも思いつつ、やはり祝われるのって悪くない。ケーキはさっき火を消したけど、ご飯はどうするつもりなんだろう。外に食べに行っても別に良かったけど、全くもって外出する気の無さそうな正君の部屋着にちょっとがっかりした。俺も部屋では大概だけど、いやむしろこの人のこういう格好ってそりゃそれで新しいかも。
あ、れ…エプロンして…もしやあれか手料理とかいうあれか。外食が多い仕事柄、手料理ってだけでありがたいかも…どっかのインタビューで甘いもの作れるとはあったけどでも正君そんなに料理できなかったような?記憶がごっちゃになってきて、そこまで長い間、お互い手料理振る舞いなんてものをやっていなかったことに気づく。やる気になれば出来るんだけどなかなかねぇ、と言い訳をして、キッチンに向かう正君の後ろをひょいひょいついていった。
大きな鍋がある。
「カレー?」
「シチューだよ」
初めてシチュー作ったけど、カレーと同じで最後ルーが違うだけなんだねなんて、なんだかそんなやり取りすら照れたりする俺はまだまだ純情派なわけね。パン焼いたり手伝おうか?と声をかけたら、ご飯だからいいよと断られた。
ご は ん … ?


座っててと言われたので、少し片付けられるものを片付けて(洋服のタグとか、ちょっとゴミ箱に入れればいいものがたくさんあった)シチューが置けるスペースを作る。ふと気づいて鎮座したままのケーキのローソクを抜いて箱に戻し、冷蔵庫入れようとすれば、意外にも満タン冷蔵庫。正君も久しぶりに料理した+今回のシチューのため、というのが目に見えて分かる具材たちに、少し暖かくなる。
「冬だからどこか寒い場所に置いておけばいいじゃんトイレとか」
心が寒くなる意見には返事を返さず、玄関近くに置いた。トイレはない人として。


シチューは、丼に乗ってやってきた。

ピンポーーン。

ぬるくなったコーヒーを飲んだら、なんだか胃の中から冷えてきた。手も一向に温まらない。かじかむ手で呼び鈴を再び鳴らす。

ピンポーーーーーン。

うっそでしょまじ信じらんねえこの寒さの中俺を放置する気なのあの人はこれで死んだらどう責任取ってくれるのああどうしよう。多分わずか1分も経ってないのに寒さでおかしくなりそうで、とりあえず近くのコンビニに避難しようと背を向けた瞬間、家の中からまさに「どんがらがっしゃん!」という音がした。在宅だけは確認できたので、もう一度呼び鈴を鳴らすと、呼応するかのようにもう一度大きな音が響く。近所迷惑だよ長谷川さん…何大掃除するの引越し作業でもしてるの。
それから更に1分くらいして、ようやくドアが開いた。
「おまたせ」
待った待ったよと、中にようやく通してもらった。玄関は寒い。いち早く暖房の前で暖を取りたいと、家主を押して部屋へ…と思ったら居間の電気が消えている。え、何長谷川さん寝てたわけ、と言うといいから入ってといつのまにか後ろに控えた彼に背を押されて入る。

ハッピバースデー トゥーユー♪

ちょっと高い鼻から抜ける声で後ろからひとり歌を歌ってくれてああもしやこれはと思うと、部屋の真中には小さなホールケーキに細くて長かっただろうろうそくがささって煌々としていた。律儀に全部歌い終わる頃にはわずか1.5cmになったろうそく。
ささっ吹き消して中ちゃん、と促されて火を消、そうと思ったら足元に落ちていた何かにつまずく。危うくケーキに顔面キスかましてパイ投げ状態になるところだった。体勢を崩したのでそのまま膝をつくと、少しゲル状のものに触ったがこの際気にしないことにする。
早めにすべきは火を消すことだ。
ふうっと8本のろうそく(こういうところ律儀でどうかと思う)を消すと、ぱちぱちとたった一人から拍手を貰った。寒さと部屋の汚さに邪魔されそうだけど、こういうイベントや演出が好きな彼らしかった。

ろうそくの火が消えて真っ暗になった部屋で、お礼を言おうと振り向くが彼はそこにはいない。代わりに寝室からまたしてもドッカンドッカン音がする。なんなの、もうちょっと雰囲気とかロマンチックとかそういうもの、大事にしましょうよ…。
ようやく目が慣れてきて、大きな包みを抱えた長谷川さんが見える。ああ寝室にプレゼントがあったわけねていうか寝室くらい電気つけて探したらよかったじゃない。

「はーいなかちゃんお誕生日おめでとー!」

まるで小さい子のように、プレゼントを前で抱えて本人が見え隠れする様にかわいいと思っちゃうあたりもう俺も大概なんだと思う。はいはいありがとー、と受け取ろうとすると前が見えない正が転んだ。とっさに受け止めると、プレゼントがクッションになってふたりもつれこむように倒れた。足元にはケーキを入れてあったと思われる箱。単純すぎる。

思ったより近かった顔にキスをすると、嬉しそうに笑ってプレゼントを差し出してきた。大きくて柔らかい感じが、包みの上からでも分かる。
「なかちゃん、ソファに置くクッション欲しがってたでしょ?」
珍しく欲しいものをくれたのねと喜んで開けた。


お寺でしか見たことのないような、高そうな
 座 布 団 が2枚包まれていました。


…NO!!!! 

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